今年の紅白出場者から視えるもの

今年の紅白出場歌手が発表されました。すでに発表された司会者陣も含めて思ったことを書きます。

その1 有吉弘行の紅白司会に見るお笑い芸人ベテラン層の世代交代

有吉は1974年生まれ。94年にお笑いコンビ猿岩石としてデビューし、96年に日本テレビ「電波少年」の企画「ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」で大ブレイク。同年12月には秋元康プロデュースで藤井フミヤ・藤井尚之兄弟提供の「白い雲のように」のCDデビューすると、ミリオンヒットし、翌年の「レコード大賞」新人賞を授与。しかし、その年の紅白出場はならず、時を経て2022年の去年純烈ダチョウ倶楽部らと一緒に紅白出場し、「白い雲のように」の歌唱が話題に。

有吉弘行はお笑い世代分類でいうと、お笑い第5世代に分類されますね。紅白に出演経験のあるバナナマン、劇団ひとりらと同世代。同じく紅白に何度も出演しているサンドウィッチマンとは同じ1974年生まれ。

ポイントは有吉弘行の90年代の大ブレイクを知ってる世代と知らない世代がいるということ。90年代に若手として活躍していたのは、ナインティナインやネプチューンなどお笑い第4世代。それよりも当時超若手だった下のお笑い第5世代つまり70年代生まれの芸人が今ではもうベテランや大御所芸人の位置にいるということです。霜降り明星らお笑い第7世代の芸人も中堅になりつつあるということです。

その2 歌合戦なのか歌手合戦なのか

先日開催されたキングオブコントも優勝したサルゴリラが歴代最高得点を更新するなど、年々お笑いの賞レースはハイレベルになっていきますが、それはネタの面白さで決勝進出者を決めているからです。一方紅白歌合戦はどうでしょうか?新人のほとんどは楽曲が評価されての出場なので問題無いのですが、問題なのは連続出場歌手の皆さんです。お笑い芸人の層の厚さに比べると紅白歌合戦の歌手の顔ぶれは毎年イマイチな印象が拭えないのですが、それは楽曲ではなく歌手のネームバリューだけで選んでいるからでしょう。歌手ではなく歌メインの紅白になるカギはTikTokやYouTubeでしょう。試しに去年紅白で披露された楽曲がTikTokやYouTubeでどれぐらい再生されているのかを指標にするのも良いと思います。今年の出場者の顔ぶれが大幅に変わると思います。

その3 遂にジャニオタ視聴者層との決別をした今年の紅白

2009年の嵐紅白初出場から、それまでSMAPと TOKIOの2枠だった旧ジャニーズ枠を一気に拡大。ここ数年は常に白組の4分の1以上の勢力をキープし続けていました。熱心なグループのファンの視聴者層の勢いで紅白の視聴者投票はいつも白組の勝利。

今年の紅白は旧ジャニーズ勢力を手放した紅白が視聴率をどれだけ下げるのかがマスコミの注目するところだと予測されます。また旧ジャニーズ勢力に代わる白組歌手の存在が欲しいところです。

その4 K-POPの出場組数の絶妙なバランスと内向きJ-POP

実はどこまでをK-POP枠というのかも微妙なところですが、Stray KidsやSEVENTEENの初出場は旧ジャニーズ枠が空かなければ、難しかったのではと思います。紅組では去年に引き続きLE SSERAFIMが出場するも、去年出場していたIVEや今年大ヒットしたNewJeansが不出場という個人的には残念な発表に。twiceも不出場ですもんね。ただ世界中で人気のK-POPから見れば、必ずしも紅白を意識する必要はなく、旧ジャニーズ同様まだまだ内向き傾向なJ-POPの今後が心配です。

その5 櫻坂46の返り咲きと日向坂46の紅白落選

どちらも意外でした。紅白での女性アイドルグループの返り咲きはとても珍しいと思います。内向き傾向の強いJ-POPの中で海外公演の成功や評価が高いのが出場の決め手になったのでしょうか。日向坂46は今年の表題曲がピンと来なかった以外は、去年とさほど変わらなかったので。他にも同じアイドルグループならAKB48やNMB48の返り咲きがあっても今年は良かったなと思いました。

最後に紅白は日本の政権に似ていると思います。全世代を意識しながらもさほど支持を得ていないまま、支持率は下がる一方だと。

0コメント

  • 1000 / 1000