人間最初のジョブは家事手伝い
腰痛持ちなので、家の中の拭き掃除が苦手だ。腰ベルトを巻いて、床を張って、ヒーヒー言いながら床を拭く。
腰痛のタイプにもよるのだろうが、重いものを持つことより、腰を曲げながらの作業が一番しんどい。特に拭くという行為は、自分にとって腰への負担が非常に重くのし掛かる。
しかし、そんな自分よりも年老いた母親の方が足腰へのダメージが大きい。身体も腰を曲げて歩くのがすっかり癖になってしまっている。今までずっと母親に、家事全般を任せていたのかと思うと、一体小さい頃の自分は何をしていたのかと思う。
学校に行って勉強すること、社会人として働くこと、それも大事だが、しかしそれよりも人間として生きる上で、一番大事な最初のステップを見落としていたのではと思い知らされるのが“家事手伝い”だ。
子どもが家のお手伝いをたまにやって褒められる世の中になったのは、平成からなのか高度経済成長期からなのかは分からない。昔は子どもといえば、家の貴重な労働の担い手だった。ジブリ作品を見たって、主人公の子ども達は何かしらよく働いているんじゃないんだろうか?
ゲームのファイナルファンタジーIIIの主人公たちの初期の職業は、攻撃力が低く、魔法も使えず、装備可能な武器防具も種類が少ない、たまねぎ剣士というジョブだ。それは子どもと似ているかもしれない。
学校を出て、就職すれば、晴れてジョブチェンジとなるんだろうが、いつかは仕事を辞める日が来る。ゲームではたまねぎ剣士に戻っても、現実世界では、もう小さな子どもには戻れない。
そう考えると学校や幼稚園保育園に通う前の自分の職業はなんだったのかと考えると、生まれたばかりの頃は、何も出来なくてもやっぱり“家事手伝い”が元々の職業のスタートなのではないだろうか?
「言うたらなんやけどな 家の中の仕事が出来る女は何でもできる。家の仕事いうのは、生きるための基本やさかいな。」という朝ドラ『スカーレット』内で出た素晴らしき人生の名言を思い出した。
生きるための基本がまだなっていない自分である。
0コメント