ABCお笑いグランプリがスゴかった
とにかくスゴい大会だった。オズワルド優勝おめでとう!カベポスターも準優勝おめでとう!まずは2組の漫才について熱く語らせて欲しい。
まずはオズワルド1本目の漫才。素晴らしい。これぞオズワルド。前の組がハイテンションな漫才しようが一切関係無し。お馴染みの挨拶が淡々と始まった時点で、馴染みの店に入った感覚になる。
とにかくオズワルドは話の展開が面白い。展開力は他の漫才師の追随を許さないと思う。真似したくても出来ない。言葉のチョイス、温度感、抑揚、間の取り方、伊藤と畠中という2人の人間が出す存在感。オズワルドじゃなきゃ笑いが生まれない、独特な味もありながら決して客を置いていかない漫才。
1本目のネタを観て流石オズワルドと唸った。しかし、驚くべきは2本目のネタだ。なんじゃこりゃ。他の漫才師が真似出来ない話の展開力といういつものオズワルドの武器じゃない。支離滅裂過ぎる畠中のボケ。それに対し不安な感情を言葉にする伊藤のツッコミ。前半の畠中の突拍子もない発言を後半回収しながら、笑いを膨らます手法。オズワルドの新たな武器を見せてくれた狂気の漫才。なんなんだこの人達は!決勝の2本目にこんな漫才やるのか!ビックリした。下手したら審査員だって客だって置いていきかねない。畠中と伊藤じゃなきゃこんな漫才怖くて出来ない。勝算があるような漫才にも思えないのに、客の大爆笑を生む。こりゃ怪物だ。しかもM-1グランプリには違うネタがまだあるらしい。なんなんだ。化け物だ。優勝おめでとうというお祝いの気持ちももちろんあるが底知れないオズワルドの漫才力が怖いぐらい頼もしくも思える。
対するは惜しくも僅差で準優勝だったカベポスター。カベポスターは色んなネタを披露していて、コントも漫才も観たことある。まぁ面白いし上手いけど、盛り上げるようなタイプじゃない。Abemaで観る前に最終決戦3組に残っていたのを知って、どんなもんかなぁと軽い気持ちで観ようとしたら驚いた。メチャクチャ面白い!カベポスターの1本目の漫才は最高の作品だと思う。カベポスターのこの低い温度感だからこそじわじわと面白くそして右肩上がりに盛り上がり、拍手笑いまで起きる理想の漫才!漫才は時に映画やドラマだって超えてしまうのだ!そう言っても過言じゃないぐらい、展開がどんどん楽しくなって最後に感動すら覚える漫才だ!なんて良い漫才なんだ!個人的には今年観た漫才の中でNo.1だ!カベポスターはスゴく良いネタを作った。もしこのネタがM-1グランプリの決勝の舞台でも観れたらと想像せずにはいられない。
そしてABCグランプリにおけるカベポスターやオズワルドの漫才と他の漫才師の決定的な違いを言いたい。それは価値観で強引にボケたり突っ込んだりしないことだ。他の漫才師もメチャクチャ面白かった。ただどこで差を感じるかといったら、価値観の強引な押し付けがあるか無いかだと思う。ボケのフレーズ、ツッコミのフレーズ、話の展開、どこかにん?と笑いよりも違和感を感じさせていないだろうか。
ABCお笑いグランプリ今回オズワルドとカベポスターだけで語ってしまったが、コントでは、Gパンパンダとコットンがメチャクチャ面白かった!Gパンパンダのマジシャンのあの切り口は新しくて面白いし、コットンは前に観たネタなのに、それでもずっと声出して笑って観れちゃうのがスゴい。2組とも良いコント師だ。蛙亭や空気階段も面白いは面白いが、ネタの完成度よりも演者のアクの濃さの方が目立っているように感じてしまった。演者という存在を超えて作品が面白いのがコントだと個人的には思っている。
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